積極的消極策

morimura1

2009年02月09日 11:11



その昔、オールジャパンシーバスパーティと言う全国規模の大会が
ありました。かなり昔の事で、記憶もあやふやなのですが、東京では
砂町と小松川のショップがその大会の窓口に成っていました。

その大会の最初、時期が12月という事もあり、東京地区に持ち込まれ
た魚は60cm弱程度のフッコ1匹、それで優勝です。

参加人数が増えるに従って盛り上がりも見せ、時期がうまくあった時に
ついには全国優勝を果たすビッグ・ワンが小櫃川で釣られた事により、
更に参加人数が増えてきました。最後の大会では、東京地区では
300人超がエントリーしていたのを覚えています。

最終的には80cmを超える魚を持ち込んでも、トップ10から滑り
落ちる実にハイレベルな大会に変わってしまいました。色んな
チームが威信を掛けて大会に参加していたのも良く覚えています。


ある時から、大会は開催されなくなりました。


ショップに出向いた際にその事を尋ねると、やはり魚を持ち込んで
検量して順位を決める事に対する外圧があると話してくれました。
まぁ其処が魚市場であれば、ゴロゴロと並んだ大型スズキを見ても
良い漁獲があったんだと認識されますが、釣り大会でソレは不味か
ろうという事らしいのです。


バスの大会では生きたまま持ち込んで検量し、死魚を出したら
ペナルティを課すというルールがあるのに、スズキは殺して持ち込ん
でもいいのか?ゴロゴロと死魚を並べて喜ぶな!とか、まぁ色々あった
んだろう事は想像に難くありませんね。


房総地区の大会窓口はK-TEN開発者の二宮正樹氏が成っていた
せいもあり、大会は生きたまま持ち込むのが原則となってその後も
継続した様ですが、生きたまま大型の魚を検量会場へ持ち込むのは
容易ではありません。


年に1度のお祭りなんだから、そういうルールが出来たとしても
大会を継続しようという後押しをする強い人が現れない限り、会を
継続するのは難しいというのを教えてくれた東京地区です。


別に其処までしなくとも、という事ですね。





前向きな人は何でも積極的に出来、またそれを可能にするパワーを
持っています。積極的に積極策を取り、また其処に賭ける思いを感じる
事が出来ます。

魚を大事に思う、でもその生態も良く判らない、守ろうにも、どうやって
守ったら良いのか良く判らない。だったら判る様に出来る限りの事をする。
将来的に見れば、これが一番の施策なのですが、私費を投じてまで
それを可能に出来る人はそう多くはありません。

大抵の釣り人は趣味で釣りをして、魚が居るから釣ってる。その程度
だと思います。ややこしいルールをクリアしてでも釣りをしたい人は
多分、多くは無いでしょう。商的利用の為にはそうして貰ったら困ると
いう動きも出てしまうでしょう。

また、そのせいで矢面に立たされますし、それらを被ってでも責任は取る!
と言える程の積極的積極策に出られる大人物は数が少ないのです。
腹をくくると言うのは並大抵の事では出来ません。


そこまで出来ネーな、やりたくネーな、やるつもりもネーな。
魚が居なくなったら釣りなんか止めちゃうだろうし。


恐らく大多数の方が其処止まりでしょう。多分、私もそうですw
そういう方ほど可能なのがSAVE FISHINGでは無いでしょうか?




自己に課すルールはまた人それぞれですが、魚を離す事も将来の為の
少しの遠慮であると思います。あえて釣らない事も少しの遠慮。
その程度です。

そのお陰で誰かが良い釣りをしていたとしても、焦ってはいけません。
開いた席は、必ず誰かが座る物です。開けたくせにその席はいつも
俺の物だと主張する傲慢な人には成りたく無いでしょう。


譲る事、遠慮出来る事が出来る人が尊ばれるのは世の常です。


あえて、何も言わずに格好良く行きましょう、それは、実に
消極的な事を積極的にする事
なのですから。




写真は昨年同期の湘南海岸です。ベタナギが続いてマターリな海の姿。
普段、湾奥ばかりで釣りをしていると、無性にこの光景に出会いたくなります。
そんな人も多いのでは?そんな方の為に。


追伸
道さん、紹介有難うございます。急にアクセスが増えたので妙だなと思ったの
ですが、まだ、始まったばかりで、序文だけ読んだ方には誤解を招きか
ねない所が多々あります。皆さんの暴走を避ける為にも、もう少し戯言を
書かせてくださいませ。


記:Redに寄稿を断られた森村ハニー



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