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2009年06月04日
これからの季節は
随分時間が経ってしまいました。
放置していた訳ではなく、研究材料が揃わなくて苦労していたんです。
今年のホーム荒川は、かように釣れないスタートと成ってしまいました。
前回予告した魚の持ち方について、もう少し材料が欲しい所ですので、
お待ち下さいませ。
今回はちょっとテーマを変えます。
釣魚の扱いについて、以前にもお話しました素手で触る事よりもっと
良くない事が有ります。それは日中の日差しで暖められた
乾いたコンクリートの場所に直置きする事です
レース観戦している方ならご存知かと思いますが、スタート前に、その日の
気温と路面温度のアナウンスがありますね。天候晴れ、無風、気温28度、
路面温度53度とか言う風に言ったりします。
かように地表の温度は日差しで熱せられます。例の様に53度まで上がる事も
あるんですよ。人間の体温よりはるかに高い場所に、釣った魚を直置きしたら、
それはもう活魚の地獄焼きにしか成らないのはお分かり頂けるかと思います。
また、日中日差しが強かったりすると、暖められたコンクリートが意外と
温度が下がらずに暖かかったりするのを実感した方も多いのではない
でしょうか?陽が落ちたら途端に温度が下がるという訳でもないのです。
意外とこの辺は皆さんが余り気にしていなかった部分かと思います。
しかし、写真を撮る為には魚を置かなければ成らない場合は、生存、保護
目的観点からすれば、写真撮影を諦めるより方法がありません。何とか
魚の粘液を保護して、地表からの熱を断熱する方法は無い物か?と、
色々と思案していました。
魚を置く下敷きに成る物で、携行性が良く、断熱出来て、吸水しない物。
しかも、滑らない事、風で飛ばされない事、メンテナンスし易い事等が
求められます。
製品の内、素材に関して幾つか候補は挙がったのですが、ウレタン、スポンジ
の類は大方が吸水するのでパス、断熱性は良いのですが、吸水しない様にする
には、予め濡らす必要があり、水辺まで降りられない場合には全く使い物に
ならないという事に成ってしまいます。どんな状況でも使えるというのであれば、
先ず、ドライでも使えなければ意味がありません。
吸水を避けるのには理由がありまして、それは体表の粘液の剥離率を下げ
たいからです。前項でも述べました様に魚は体表を粘液で覆われていますが、
これを剥離してしまうのは余り好ましい事ではないのには間違いありません。
吸水してしまう素材、例えばタオルや軍手等で魚を掴むと判ると思いますが、
体表の粘液が吸水素材側に移ってしまいます。つまり、これは水を吸っている為に
粘液が吸水している側に引っ張られた訳で、そのまま魚を離せば、粘液は
ベリッと剥がされて仕舞う訳です。これでは本末転倒ですね。
また、断熱するには中間に空気層が必要で、ある程度の距離(素材の厚み)
が発生してしまい、携行性の悪さに繋がってしまいますので、中々お勧め
出来うる素材がありませんでした。断熱の為に空気層を持ち、表面は吸水しない
って事で思いつくのはお風呂マットですが、粘液でヌルヌルした魚をその上に
乗せたら滑ってしまってこれまた良くありません。
また、断熱の為に用いるべき厚手のウレタン等はそれ自体が熱を帯びてしまう事が
あるので、例えば携行(バック等に入れて)していて、出したら熱を持っていたという
のでは、これまた話になりません。使用時に熱を帯びていない事が必要です。
そんなある時、たまたま立ち寄った100均のキャンドゥでこんな物を見つけました。
EVA樹脂製の洗濯板の様ですが、着目したのはその凹凸です。規則的に
並んでいるので、点接触になり、面でベッタリくっついて、接触面の粘液が
全剥離という事は避けられそうです。いわば、ゴム製ネットの様でもありますね。
裏表を比較してみると凹凸になってますが、使用するのは凹面です。凸面を
使うと間に空気が通ってしまいますので、此処から乾燥が始まりますから、
空気の通りにくいほうを魚面にして、通り易い方を断熱に使うということです。
凸面を下にして間に空気を通せば、地面から放出される温度を下げる事が出来、
断熱効果が期待できます。
実際に釣り場に持ち込んで計測して見ました。
余りに安物ばかりで揃えたので、かなりアバウトですが、目安にはなると思います。
先ずはその日の気温28度です。
いやはや、1人で撮影すると色々苦労しますw
次にその釣り場で魚を置くであろう場所を測定します。
画像では切れてしまったのですが、アルコール部分が路面に接触する様に温度計を
加工していますので、直接接触させてから、2分後の温度です。やはり高く33度ですね。
ただ、この日は風が8mほど吹き続けていたので、比較的温度上昇は少なかった
と思いますが、気温と5度差が有ります。
この画像で判ると思いますが、同じ様にシートを置いて2分後の温度、30度弱です。
計測時間が2分と少なかったのは、写真を撮ってリリースするまでに要する時間
の想定です。これ以上時間を掛ければ、魚そのものの生命に関わりますので、
手早く行いたい所です。
実際に使用してみるとこんな感じでした。
シート1枚の前後の長さが約36cmなので、2枚で70cm、3枚有ればメーター級でも
敷く事が出来ます。
実際に使ってみて思ったのですが、魚の弱りが少ないのです。別の魚で試した時に
撮影と準備が比較的短時間ですみましたので、撮影後にそのままシートをひっくり
返して離してみたのですが、そのまま何事も無かったように泳いで行ったのには
驚きました。完全断熱とまではいかないものの、温度上昇が1度程度なら及第点
かと思います。
また、吸水しない事と点接触のお陰もありましょう。素材への魚の匂い移りが少なく、
3匹の魚で使用した後に、一晩そのまま袋に入れて放置してみたのですが、以前の
厚手のビニール使用の時のような、むせかえる様な匂いまでは有りませんでした。
軽く台所洗剤とスポンジの併用で食器を洗うような感覚で洗えば匂いも残りません。
元々、洗濯板ですからw
携行はこんな感じで行えます。
2つに折り畳んでA5サイズのチャックバックに入れてます。この程度の大きさなら、
大抵の大型ウェストバックや、タクティカルベストの類のルアーケースの裏に忍ばせても
かさばる事も無く使えますね。匂い移りを避けられるチャックバックに入れて、携行できる
のは非常に助かります。
テスト:森村ハニー
放置していた訳ではなく、研究材料が揃わなくて苦労していたんです。
今年のホーム荒川は、かように釣れないスタートと成ってしまいました。
前回予告した魚の持ち方について、もう少し材料が欲しい所ですので、
お待ち下さいませ。
今回はちょっとテーマを変えます。
釣魚の扱いについて、以前にもお話しました素手で触る事よりもっと
良くない事が有ります。それは日中の日差しで暖められた
乾いたコンクリートの場所に直置きする事です
レース観戦している方ならご存知かと思いますが、スタート前に、その日の
気温と路面温度のアナウンスがありますね。天候晴れ、無風、気温28度、
路面温度53度とか言う風に言ったりします。
かように地表の温度は日差しで熱せられます。例の様に53度まで上がる事も
あるんですよ。人間の体温よりはるかに高い場所に、釣った魚を直置きしたら、
それはもう活魚の地獄焼きにしか成らないのはお分かり頂けるかと思います。
また、日中日差しが強かったりすると、暖められたコンクリートが意外と
温度が下がらずに暖かかったりするのを実感した方も多いのではない
でしょうか?陽が落ちたら途端に温度が下がるという訳でもないのです。
意外とこの辺は皆さんが余り気にしていなかった部分かと思います。
しかし、写真を撮る為には魚を置かなければ成らない場合は、生存、保護
目的観点からすれば、写真撮影を諦めるより方法がありません。何とか
魚の粘液を保護して、地表からの熱を断熱する方法は無い物か?と、
色々と思案していました。
魚を置く下敷きに成る物で、携行性が良く、断熱出来て、吸水しない物。
しかも、滑らない事、風で飛ばされない事、メンテナンスし易い事等が
求められます。
製品の内、素材に関して幾つか候補は挙がったのですが、ウレタン、スポンジ
の類は大方が吸水するのでパス、断熱性は良いのですが、吸水しない様にする
には、予め濡らす必要があり、水辺まで降りられない場合には全く使い物に
ならないという事に成ってしまいます。どんな状況でも使えるというのであれば、
先ず、ドライでも使えなければ意味がありません。
吸水を避けるのには理由がありまして、それは体表の粘液の剥離率を下げ
たいからです。前項でも述べました様に魚は体表を粘液で覆われていますが、
これを剥離してしまうのは余り好ましい事ではないのには間違いありません。
吸水してしまう素材、例えばタオルや軍手等で魚を掴むと判ると思いますが、
体表の粘液が吸水素材側に移ってしまいます。つまり、これは水を吸っている為に
粘液が吸水している側に引っ張られた訳で、そのまま魚を離せば、粘液は
ベリッと剥がされて仕舞う訳です。これでは本末転倒ですね。
また、断熱するには中間に空気層が必要で、ある程度の距離(素材の厚み)
が発生してしまい、携行性の悪さに繋がってしまいますので、中々お勧め
出来うる素材がありませんでした。断熱の為に空気層を持ち、表面は吸水しない
って事で思いつくのはお風呂マットですが、粘液でヌルヌルした魚をその上に
乗せたら滑ってしまってこれまた良くありません。
また、断熱の為に用いるべき厚手のウレタン等はそれ自体が熱を帯びてしまう事が
あるので、例えば携行(バック等に入れて)していて、出したら熱を持っていたという
のでは、これまた話になりません。使用時に熱を帯びていない事が必要です。
そんなある時、たまたま立ち寄った100均のキャンドゥでこんな物を見つけました。
EVA樹脂製の洗濯板の様ですが、着目したのはその凹凸です。規則的に
並んでいるので、点接触になり、面でベッタリくっついて、接触面の粘液が
全剥離という事は避けられそうです。いわば、ゴム製ネットの様でもありますね。
裏表を比較してみると凹凸になってますが、使用するのは凹面です。凸面を
使うと間に空気が通ってしまいますので、此処から乾燥が始まりますから、
空気の通りにくいほうを魚面にして、通り易い方を断熱に使うということです。
凸面を下にして間に空気を通せば、地面から放出される温度を下げる事が出来、
断熱効果が期待できます。
実際に釣り場に持ち込んで計測して見ました。
余りに安物ばかりで揃えたので、かなりアバウトですが、目安にはなると思います。
先ずはその日の気温28度です。
いやはや、1人で撮影すると色々苦労しますw
次にその釣り場で魚を置くであろう場所を測定します。
画像では切れてしまったのですが、アルコール部分が路面に接触する様に温度計を
加工していますので、直接接触させてから、2分後の温度です。やはり高く33度ですね。
ただ、この日は風が8mほど吹き続けていたので、比較的温度上昇は少なかった
と思いますが、気温と5度差が有ります。
この画像で判ると思いますが、同じ様にシートを置いて2分後の温度、30度弱です。
計測時間が2分と少なかったのは、写真を撮ってリリースするまでに要する時間
の想定です。これ以上時間を掛ければ、魚そのものの生命に関わりますので、
手早く行いたい所です。
実際に使用してみるとこんな感じでした。
シート1枚の前後の長さが約36cmなので、2枚で70cm、3枚有ればメーター級でも
敷く事が出来ます。
実際に使ってみて思ったのですが、魚の弱りが少ないのです。別の魚で試した時に
撮影と準備が比較的短時間ですみましたので、撮影後にそのままシートをひっくり
返して離してみたのですが、そのまま何事も無かったように泳いで行ったのには
驚きました。完全断熱とまではいかないものの、温度上昇が1度程度なら及第点
かと思います。
また、吸水しない事と点接触のお陰もありましょう。素材への魚の匂い移りが少なく、
3匹の魚で使用した後に、一晩そのまま袋に入れて放置してみたのですが、以前の
厚手のビニール使用の時のような、むせかえる様な匂いまでは有りませんでした。
軽く台所洗剤とスポンジの併用で食器を洗うような感覚で洗えば匂いも残りません。
元々、洗濯板ですからw
携行はこんな感じで行えます。
2つに折り畳んでA5サイズのチャックバックに入れてます。この程度の大きさなら、
大抵の大型ウェストバックや、タクティカルベストの類のルアーケースの裏に忍ばせても
かさばる事も無く使えますね。匂い移りを避けられるチャックバックに入れて、携行できる
のは非常に助かります。
テスト:森村ハニー
Posted by morimura1 at 13:06│Comments(0)
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